このしたやみ のこれまでの公演です。
2016.4 このしたやみ一人芝居二本立て「駈込み訴え」「葉桜と魔笛」
→準備中
2015.9 daichi no kioku「道成寺」
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2015.9 このしたやみ ロシアの夫婦「熊」「タバコの害について」
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2015.5 このしたやみロシアツアー 日本の夫婦、ロシアの夫婦
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2015.4〜5 このしたPosition!! リーディング公演ツアー「人間そっくり」
→準備中
2014.11 M-PAD 2014「道成寺」
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2014.9 Aゲキシリーズ 紙風船まつり
→準備中
2014.7 番外公演 広田ゆうみ「と」朗読2
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2014.7 YM町家舞台「駈込み訴え」
→準備中
2014.6 このしたやみ 京都→静岡「紙風船」
→準備中
2014.5 このしたPosition!! リーディング公演ツアー「人間そっくり」
→準備中
2014.3 このしたPosition!! 太宰さんとゴーゴリさんをやります公演「駈込み訴え」「葉桜と魔笛」
→準備中
2014.1 百景社アトリエ祭 太宰治作品集「駈込み訴え」「葉桜と魔笛」
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2013.11 M-PAD 2013 このしたPosition!! 「鼻」
→準備中
2013.10 愛知公演「紙風船」
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2013.7 番外公演 広田ゆうみ「と」朗読
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2013.3 ひこねフィジカルアート2013「二人で狂う」
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2012.11 M-PAD 2012「木馬は廻る」
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2012.9 名古屋公演「熊」
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2012.9 鳥の演劇祭5「紙風船」
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2012.6〜8 このしたPosition!! リーディング公演「人間そっくり」
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2012.3  このしたやみリーディング公演「赤い部屋」
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2011.11  M-PAD 2011「赤い部屋」
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2011.8〜10 このしたやみツアー2011「二人で狂う」
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2011.3  近代戯曲リーディング「平澤計七短篇集」
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2011.2  かなざわ演劇祭2011「紙風船」
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2010.12  津あけぼの座公演「道成寺」
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2010.9  「駈込み訴え」
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2010.9  「二人で狂う」
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2010.8  利賀演劇人コンクール「二人で狂う」
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2010.6  楽町楽家「紙風船」「駈込み訴え」
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2010.3  近代戯曲リーディング「道成寺」
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2010.1  ルドルフ×このしたやみ「熊」
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2009.9  三都市公演「紙風船」「あなたの最も好きな場所」
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2009.3  「砂の女」
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2009.2  欄干スタイルプロデュース「人は死んだら木になるの」
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2008.12 「紙風船」 朗読「あなたの最も好きな場所」
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2008.9 一人芝居「藪の中」 朗読「鼻」
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2008.7 (再演)一人芝居「駈込み訴え」 朗読「《青いオーロラ》号の冒険」
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2008.3 一人芝居「駈込み訴え」 朗読「《青いオーロラ》号の冒険」
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2007.9 ぶんげいマスターピース工房 競作・チェーホフ 「熊」
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2007.8 利賀演出家コンクール 「熊」
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2007.2 Kyoto演劇フェスティバル「傘をどうぞ と ソウルの落日」
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「道成寺」
(三島由紀夫 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
ヴィオラ・ダ・ガンバ演奏:田村雄二
行燈作製/点火:中村 剛志


daichi no kioku 2015参加公演
2015.9.27
於:長野県上田市別所神社神楽殿
2011年より上田市の別所神社で行われている芸術祭daichi no kiokuに招待され、上演したもの。会場となる別所神社は江戸末期に建てられたもので、本殿横の神楽殿の奥から山々が見える。
これまでの『道成寺』公演と異なり、録音音源を使わず、古楽器のヴィオラ・ダ・ガンバの生演奏とのコラボレーションや、開演時間に行燈に灯を入れる作業などを加え、会場との演出的融和をはかった。折しも中秋の名月で、前日までの悪天候とは裏腹に上演中神楽殿の向こうに綺麗な月が昇り、幻想的な公演となった。
上田舞台写真1
上田舞台写真2
上田舞台写真3
上田舞台写真4
上田舞台写真5
JR上田駅から上田電鉄別所線に乗り換え、長閑な景色の中を約30分、公演会場の最寄り駅別所温泉駅です。 別所温泉駅
会場の別所神社です。鳥居をくぐって急な坂道と階段を上ると、本殿のある広場に出ます。右側に見えるのが神楽殿。本殿よりずいぶん大きいです。 別所神社1
別所神社2
地元の学生たちや、プロデューサーの荒井さんのご家族も準備を手伝ってくれました。お昼はみんなでカレーです。 昼食
リハーサルを終え、その日の晩は疲れを癒す別所温泉へ行きました。 リハーサル
温泉
本番日、朝早くから山口は再び温泉へ、コーヒー好きの広田は数年前にオープンした毎朝豆を挽くというカフェへ。 翌朝1
翌朝2
当日は午後からたくさんのお店が出たり、お社までの階段も飾り付けがされたりしてお祭りムードが盛り上がります。 会場1
会場2
会場3
会場4
前日までの雨空が一変、良い天気でたくさんのお客さんが来てくださいました。 会場5
16時からタヨングムという団体の韓国伝統音楽の演奏。18時からこのしたやみの上演です。境内には篝火や、竹の明かりが備え付けられ、会場までの道のりも美しかったです。 会場6

会場7
会場8




このしたやみ ロシアの夫婦(「熊」「タバコの害について」)
「熊」「タバコの害について」
(A.チェーホフ 作)

構成・演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


Mゲキセレクション公演
2015.9.12-13
於:三重県文化会館小ホール
主催:このしたやみ 三重県文化会館
制作:特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ

京都公演
2015.11.13-14
於:人間座スタジオ
これまで様々な場所で上演してきた『熊』と、新たに創作したチェーホフの短編戯曲『タバコの害について』を組み合わせることにより、実際には全く別の戯曲である『タバコの害について』が、あたかも『熊』の続編、後日談のように見えるようにした作品。
三重での公演は、作品の上演のみならず、『チェーホフを読む』と題したワークショップ、三重県立図書館でのチェーホフ特集など、なんとなく高く感じるチェーホフに対する敷居を下げる関連企画も行われ、「面白いチェーホフ」という上演意図を助けるものとなった。
また、小屋入りから本番終了まで、上演団体と一緒に公演づくりを体験する若手演劇人のためのU-30演劇人養成講座も開かれ、いつも3人しかいない「このしたやみ」にとっては、あたかも後輩劇団員が一気にできたような気分を味わえるという貴重な経験となった。
三重舞台写真1
三重舞台写真2
三重WS
三重県立図書館
三重集合写真
三重県文化会館は滞在型創作などのため、宿泊ができます。今回、メンバーが多いので合宿のような気分になります。 三重県文化会館
公演準備の合間にU-30参加者の皆さんに、演出意図や、それを具体的に形にする方法などのレクチャーやミーティングも行われました。 U-30
ご飯もお弁当でなく、毎回炊き出しをしてもらいました。疲れた体に優しいメニューで出演者の健康が保たれます。 炊き出し
打ち上げ風景。 三重打ち上げ

11月には京都の人間座でも上演され、これがこのしたやみにとって、山口の帰国後初めての京都公演となった。こちらはいつもの3人での公演で、幕間の舞台転換を観客の方に手伝ってもらい、千秋楽終了後には観客の皆さんとの乾杯、その後観客の皆さんとの撤収作業という、まさに客席と舞台の垣根をとっぱらったような公演となった。 人間座スタジオ
京都舞台写真1
京都舞台写真2




このしたやみロシアツアー
日本の夫婦、ロシアの夫婦
(「紙風船」「熊」)
「紙風船」(岸田國士 作)
「熊」(A.チェーホフ 作)
構成・演出・字幕制作:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
舞台監督:山中秀一
照明操作:伊吹卓光


ヴィリーキーノヴゴロド公演
2015.5.29
於:Новгородская областная филармония имени А.С.Аренского
(ノヴゴロド州立アントン・アレンスキー記念フィルハーモニー)

サンクトペテルブルク公演
 (国際演劇祭ラドゥガ2015招待公演)
2015.5.31
於:Театр Юных Зрителей им. А.А. Брянцева
(アレクサンドル・ブリャンツエフ記念青年劇場)
このしたやみ2度目の海外公演。ロシアのヴィリーキーノヴゴロドとサンクトペテルブルクで『日本の夫婦、ロシアの夫婦』と題して『紙風船』と『熊』の二本立て公演を行ったもの。日本とロシアの男女二人芝居を見比べてもらうことにより、日本とロシアの相互理解に貢献できればと企画され、幕間にはロビーで折り紙教室や、生け花の展示なども行われた。
日本を5月27日の夜出発して、ドバイ経由で約21時間のフライトでようやくサンクトペテルブルクのプルコヴォ空港に到着、そこからバスで本来なら2時間半くらいのところ、渋滞に巻き込まれ6時間くらいかけてようやくヴィリーキーノヴゴロドに到着。舞台装置などの搬入を終えて、現地時間10時くらいにようやくホテルへ。白夜なのでそれでもまだ明るいです。 空港にて
ノヴゴロドはその名前(新しい街)に反してロシアの中で最も古い街の一つで、大きなクレムリ(要塞)があって、その中に劇場があります。 ノヴゴロド劇場1
クレムリ
劇場入り口にお芝居のポスターが貼ってあったので同じポーズで。 ノヴゴロド劇場前
劇場は600席くらいの客席があって、立派なシャンデリアもついています。このシャンデリアは本番の客入時や幕間以外に点けると叱られます。 ノヴゴロド劇場2
ノヴゴロド劇場3
ノヴゴロド仕込み1
ノヴゴロド仕込み2
仕込み中、舞台上に5ルーブルコインが埋め込まれているので「これは何?」と聞くと、舞台の中央をコインを埋めて表しているのだそうです。 ノヴゴロド仕込み3
本番終了後、知らないご婦人がお花をくれました。あちらの俳優は拍手が続いていれば何度でも出てきて挨拶をしますし、観客の中にはお花を買って行って、お芝居や俳優が気に入ったら、カーテンコール中にあげたりする人もいるようです。 ノヴゴロド開演
ノヴゴロド終演
ノヴゴロド集合写真
打ち上げは劇場のひとおすすめのパブСказка(物語)で。 ノヴゴロド打ち上げ
翌日は劇場の人が手配してくれたガイドさんと一緒にクレムリめぐりをして、昼過ぎにバスでペテルブルクへ移動です。ヴィリーキーノヴゴロドはとてもきれいな街でした。 クレムリにて
移動

その日の夕方、ペテルブルクに到着して、劇場に舞台装置などを搬入、こちらは国際演劇祭なのでポーランドから参加している団体の作品を見て、その日は宿へ。 ペテルブルク劇場1
翌日は朝から仕込み。なにしろ本番が昼の12時からということで、大忙しです。海外ならではのハプニングや、幕間に字幕を出すためのパソコンのバッテリーが切れて、演出が舞台上を走って観客の皆さんに「トラブル起きたからちょっと、ちょっとだけ待って!」と叫ぶというようなうっかり事件など、いろいろありましたが、そういったこともいい感じに作用してか、最後は観客の皆さんも大いに楽しんでくれたようです。 ペテルブルク仕込み1
ペテルブルク仕込み2
ペテルブルク終演
12時本番ということで、本番までは嵐のような忙しさでしたが、公演終了して片付けが終わってもまだ15時ということで、その後ペテルブルクの街をうろうろすることができました。エルミタージュ美術館に裏口から入れてもらったり、ロシアでお手伝いしてくれたパーシャの家の屋上に上ったり、アレクサンドリンスキー劇場の裏側を見せてもらったり、普通の観光では見られないところを見て回りました。 エルミタージュ
パーシャ家屋上
ペテルブルク打ち上げ
ペテルブルクの公演は国際演劇祭ラドゥガ(虹)に御呼ばれしたもので、きれいなパンフレットがあったり、上演団体用に夜のクルージングや、昼はバスでの市内巡り、オープニング、クロージングパーティなどがあって、お祭り気分を盛り上げてくれました。 ペテルブルクパンフ1
ペテルブルクパンフ2
日本での公演とは違う観客の皆さんからの反応もあって私たちにも大いに刺激になりました。こうやって演劇を通じてお互いを知ったり、友人ができたりするということの喜びを改めてありがたく思ったのでした。





「道成寺」
(三島由紀夫 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


M-PAD 2014
2014.11.27
於:うなぎ料理 はし家
2014.11.29
於:津あけぼの座スクエア

主催:津あけぼの座 三重県文化会館
四年めを迎えたM-PAD。三重県の様々な飲食店で料理とリーディングを楽しんでもらおうというこの企画に、このしたやみは、劇団Hi!Position!!との共同制作=このしたPosition!!として参加した昨年を含め毎回参加しているが、今年はじめて、美里の古民家Hibicoreを離れ、うなぎ料理 はし家におじゃました。うなぎをよく食べる三重にふさわしく、よそものには驚きの店構え。 はし家
宴会にも使われるお座敷にて、開演。三島由紀夫の近代能楽集より『道成寺』を再演した。長いものつながりというわけでもないが、古典の道成寺に於いて清姫が蛇に変わっていくイメージを喚起させる、巻物の形をとった本によるリーディングである。 舞台写真1
舞台写真2
舞台写真3





広田ゆうみ「と」朗読2
「猫貸し屋」
「《青いオーロラ》号の冒険」
ほか
(別役実 作)
演出:二口大学
出演:広田ゆうみ



このしたやみ番外公演
2014.7.27
於 津あけぼの座

主催:
特定非営利活動法人パフォーミングアーツ
ネットワークみえ
津あけぼの座
昨年に引き続き、津あけぼの座で真夏の朗読会。
二口演出・広田単独でおじゃまする、このしたやみの作品とはまた毛色の違った公演です。
今年は、中短篇集。まるで落語のようなゆかいな話から始まって、ちょっぴり考えさせられる話、淋しく夏の終わりを告げる話。最後によんだ中篇「《青いオーロラ》号の冒険」は、二口の「駈込み訴え」との関連がある作品。ご存じの方はこっそり頷かれたのではないでしょうか。
舞台写真

暑い盛りの午後半ば、せめて西瓜でおもてなし。
ちなみにこの西瓜、みなさんが戯れに鉢に埋めた種から芽が出て、のちに小さな実を結んだそうです!
西瓜

京都で二十数回を数え、延べ百篇余りをよむ、広田にとってはライフワークといってよい別役実童話への取組みを、三重でも聞いていただけるのはありがたい限りです。
チラシ
小さな、けれども深く靭い力を持つ別役童話の世界を、またお届けできる機会がありますれば幸いです。(広田記す)





「駈込み訴え」「葉桜と魔笛」
(太宰治 作)
構成・演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


百景社アトリエ祭 太宰治作品集
2014.1.31-2.1
於 百景社アトリエ

主催:百景社
茨城県土浦に居を構える百景社さんのアトリエ祭・太宰治作品集で上演した二つの一人芝居。
前年に落成したばかりの百景社アトリエは、ブラックボックスながら窓を開ければたくさんの陽光が差し込むあかるい空間。劇団の皆さんの団結力や地域の方々とのつながりで、育ってゆく力強さを感じさせる。
仕込み前のアトリエ。手前に写っているのはご一緒させてもらっただけでなく、たくさんのご助力をいただいた、おなじみ津あけぼの座のお二人。
百景社アトリエ

このしたやみの上演は『駈込み訴え』と『葉桜と魔笛』。これまで二口の『駈込み訴え』は様々な場所で繰り返し上演されたが、今回新たにそれと対になる作品として、広田による一人芝居『葉桜と魔笛』を制作、上演した。
どちらの作品もセリフはないが舞台上にもう一人いるので、厳密には一人芝居とは言えないが、基本的には一人で演じていて、ただそこにいるだけの「もう一人」から観客が何かを想像するような仕組みになっている。
『葉桜と魔笛』は太宰による老婆の一人語りと言う形式の短編小説だが、その虚構性に注目して創作され、山口の言うところの「生き生きした虚構の、空しくさみしい後味」を生み出すため、『駈込み訴え』が終始座ったまま演じられるのに対し、結構動く作品となっている。 なお、制作時に演出の山口がサンクト・ペテルブルクに留学中のため、スカイプを通じて稽古するという変わった作り方になった。 駈込み訴え1
駈込み訴え2

葉桜と魔笛
葉桜と魔笛





「紙風船」
(岸田國士 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
音響・照明操作:七井悠
(劇場公演)


まちげき企画とんぼだま公演
(あいちトリエンナーレ2013
パートナーシップ事業)

於 ナンジャーレ
2013.10.18-19
於 長善寺
2013.10.20
於 松應寺

主催:まちげき企画とんぼだま
劇団うりんこの制作でもある平松隆之さんが中心になって企画してくださった、まちげき企画とんぼだま公演。 劇場公演=名古屋の小劇場ナンジャーレ、お寺公演=西区・長善寺、少し移動して岡崎・松應寺。 このしたやみとしては演出の山口がサンクトペテルブルグに旅立って初めての公演であり(除 番外公演) 今後の二年半にも及ぶ代表不在の我々の活動の一つのスタイルともなった公演でもあります。

ナンジャーレは名古屋の若手がよく使う劇場のようで、名古屋初参戦の我々としてはうってつけの会場。 下の階に格闘技ジムがあるビルの3階で公演時にはサンドバッグが軋む音も聞こえるほど臨場感溢れるところでした。 お客様は名古屋だけでなく県外からもたくさんいらしていただき小さな会場ですがありがたいことに両日満席でした。 ナンジャーレ

空き時間に大須へ。平松さん、京都から来てもらった舞台監督であり俳優でもある七井悠くんと一緒に大須観音などへ行き味噌煮込みうどんを食べました。ありがとう!七井くん。
うどん

少し日をあけてのお寺公演、長善寺さん。名古屋駅から電車ですぐのところで、とても大きなお寺でした。 副住職に伺うとその歴史はなんと400年にはなるそうで、そのご本尊の目の前に仮設舞台を組んでの上演となりました。 さすがに生まれてはじめての体験です。少し緊張しましたが、心が洗われた気もします。 お客様はご近所の檀家さんでご年配の方に多く来ていただきました。 そして晩はそのままお寺に泊めていただき、副住職と酒を酌み交わし京都の話などで盛り上がりました。副住職、二日間大変お世話になりました。
長善寺

高速で一時間半ほどの移動で岡崎市に。お寺二つ目はこれもまた400年の歴史のある松應寺さん。なんと徳川家康のお父さんのお墓のある由緒あるお寺です。 ご住職にご挨拶し案内していただいたのですが、一つ困ったことがありました。 控室、我々でいう楽屋がないのです。そこでご住職、ああここを使ってください、と案内されたのがご本尊の裏にあるお部屋。 さすがにそこは畏れ多いと申し上げたのですが、どうぞどうぞとすすめられ結局そこをお借りすることに。 我々は上演の際ご本尊の後ろから登場するという極めてまれな事態となりました。 本番はあいにくの雨でしたがトリエンナーレの会場にもなっていたため遠く三重や東京からもいらしていただきました。お世話になりました。
松應寺

今回の公演は俳優二人だけで移動して現地の方々にご協力いただくというなんとも人頼みの上演でしたが、その分いつも以上に関係が深まった上演でもありました。ご協力いただいたまちげきのみなさん本当にありがとうございました。 そしてあらためて紙風船のポテンシャルの高さに驚かされた企画でもありました。(二口記す)





広田ゆうみ「と」朗読
 「盲の馬―黒い郵便船その1」
(別役実 作)
演出:二口大学
出演:広田ゆうみ



このしたやみ番外公演
2013.7.26-27
於 津あけぼの座

主催:
特定非営利活動法人パフォーミングアーツ
ネットワークみえ
津あけぼの座
いつもはこのしたやみで伺っている津あけぼの座に、二口演出・広田単独でおじゃましての朗読会。このしたやみの作品とはまた毛色の違った公演です。 京都で既に十数回を数え、延べ百篇近くをよむ、もはやライフワークといってよい別役実童話への取組みを、三重でも聞いていただきました。
2012年から2013年春にかけて取り組んだ長篇童話「黒い郵便船」、その第一部「盲の馬」をお届けしました。 90分と朗読としては長尺でしたが、じっくり聞いていただけてありがたく。

舞台写真

港と運河と鉱山のある小さな街に積み重なってゆく時間のものがたりを、海のあるこの街でよむことができてたいへん幸いでした。

海

この日はちょうど津の花火大会。終演後は、お客様だけでなく津あけぼの座ゆかりの方々と、津あけぼの座スクエアの屋上で花火を見ながら宴会。

花火

風に吹かれて、よき夏の夜を過ごすことができました。ありがとうございました。(広田記す)





「二人で狂う……好きなだけ」
(ウージェーヌ・イヨネスコ 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
音響操作・出演:朝平陽子
照明操作・出演:柳原良平
仕掛・車両:唐仁原俊博



ひこねフィジカルアート2013
2013.3.16-17
於 ひこね市文化プラザ メッセホール

主催:ひこね市文化プラザ
滋賀県彦根市の演劇祭、ひこねフィジカルアート2013での公演。この演劇祭ではこのしたやみの他、金沢の劇団アンゲルス、東京NOVUS、大阪の野外劇団楽市楽座の公演や、シンポジウムが催された。

会場

会場のひこね市文化プラザ。お城のようです。右に見える塔のような建物がメッセホールで中は円形の空間です。
会場

シンポジウムの様子。地方と劇場、文化交流における劇場のあり方など様々な意見が交わされました。おなかが減っても終わるまで我慢です。
シンポ

観客に万一のことがあってはいけないので、ビー玉をテープで覆っています。約1500個。
作業

彦根港。彦根は山あり湖ありお城ありの面白い街です。
彦根港

出演団体が宿泊した家。古い街並みが残っていて、それを守ったり、復活させたりする動きが進んでいます。
宿泊

最終日は少し早起きして彦根城へ。ひこにゃん登場で黒山の人だかり。またいつか会いに来ます。
ひこにゃん





「木馬は廻る」
(江戸川乱歩 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


M-PAD 2012
2012.11.21
於:Cafe Hibicore
2012.11.24
於:津あけぼの座スクエア

主催:津あけぼの座 三重県文化会館

三重県ゆかりの作家、江戸川乱歩の短編小説「木馬は廻る」をリーディング作品として上演したもの。M-PADとは三重県津市の様々な飲食店で料理とリーディングを楽しんでもらおうという企画。このしたやみは昨年に引き続き二度目の参加となる。
前回は「赤い部屋」ということで会場全体を赤く染める演出だったが、今回は木馬小屋の丸屋根や、女切符切りの制服などから青を基調とした。
物語は「ガラガラゴットン」という回転木馬の廻る音で始まる。貧しい中年のラッパ吹きの格次郎は、勤め先の木馬小屋の若い女切符切りのお冬にささやかな恋心のようなものを抱くが、彼には女房子供がいるため、恋心は口に出せず、また彼女の欲しがっているショール一つ買ってやれない。そんなある日、回転木馬の演奏台でラッパを吹いていた彼は、若い男の客が彼女のお知りのポケットに封筒をねじ込むのを目撃する。ラヴ・レターだと思ってやきもちを焼いた格次郎はお冬のポケットから封筒を抜き取ると、それはラヴ・レターなどではなく、ピン札の入った誰かの給料袋だった。若い男の客はスリで、刑事に追われて証拠の品を処分したのだ。格次郎はひょんなことから手にした大金で、お冬にショールが買ってやれると大喜びし、普段乗ることのない回転木馬にお冬や仕事仲間とともに乗る。貧しい日々の暮らしや、失われた青春のことを思うと彼は「ばんざーい」と叫ばずにはいられないのだった。
乱歩の作品の中には珍しく誰も死なず、血も流れないが、華やかな回転木馬で、貧しい暮らしの糧をえるため働く姿は哀愁に満ち、最後にそれが「ばんざーい」と爆発する様が面白い。
上演では二口と広田が、丸い蚊帳の周りをぐるぐる廻りながら本を読む。
稽古開始当初、山口は「今回こそは台本を巻物にしないぞ」と言っていたが、この回転のイメージから結局、巻物シリーズの四作品目となった。
cafe Hibicore では、昼の公演もあったため、障子の裏にカラーフィルターを張りステンドグラスのような効果を出し、日本家屋と西洋の雰囲気を融合させ、津あけぼの座スクエアでは蚊帳から四方に万国旗をイメージさせる白紙を吊った。

会場のcafe Hibicore古民家のカフェです。天気も良好。今回は昼公演と夜公演があります。
会場1
夜公演前の食事風景。舞台に吊られた蚊帳がクラゲのお化けみたいです。
開演前

舞台写真1 舞台写真2 舞台写真3

津あけぼの座スクエアでの4団体連続上演。このしたやみは最初の上演です。cafe Hibicoreとはまた違った趣になりました。
会場2
舞台写真4





「熊」
(アントン・チェーホフ 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


2012.9.28-29
於:名古屋 うりんこ劇場

このしたやみ初の名古屋での公演。
うりんこ劇場は名古屋で生まれ育った人間なら大抵一度は見たことがあるというほどの、児童劇を創作・上演する劇場だが、 最近は学生演劇祭や寄席など児童劇以外の催しも行われている。
写真ではよく見えないが、幕などで劇場を覆わず、劇場の機構をむき出しで上演した。 写真の左手奥には、劇場の天井に何本もあるバトン(照明やセットを吊るための棒)を上げ下げする綱を纏めた 綱元(つなもと)があり、それが舞台装置の延長のように見え、空間全体が作品の雰囲気を出す手助けとなった。
上演終了後は、ポストパフォーマンストークや、交流の時間というものがあり、 観客も舞台空間に自由に入り、ブランコに乗って記念写真をとったり、 このしたやみメンバーと一緒に紙を片付ける人たちもいて、名古屋の方々との出会いはとても和やかなものとなった。

舞台写真1 舞台写真2

これまでのこのしたやみのチラシのイメージとは違ってポップなラブコメというイメージのチラシ。
チラシ

これが会場の「うりんこ劇場」です。
劇場

広田が小道具を仕込んでいます。奥の綱元が見えるでしょうか?
劇場





「紙風船」
(岸田國士 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


鳥の演劇祭5
2012.9.15-16
於:鳥取 しかの心

2009年に鳥の演劇祭2ショーケースで上演して以来2度目の鳥取での上演。
鳥の演劇祭も規模が大きくなり、会場も増え、地ビールの試飲会など演劇以外の催しも多く、地域ぐるみの演劇祭という印象が強くなり、このしたやみ自身も参加しながら演劇祭を大いに楽しませて頂きました。

オープニングパーティーの様子。広田の奥にいるのはフィンランドから来た人形劇のイルポ・ミッコネン氏。
オープニングパーティ1

こちらはフランスのサーカスのメンバー。国際色豊かです。
オープニングパーティ2

写真は鹿野の民家を土日だけお店にしてしまうという“週末だけのまちみせ”という企画。 こちらでは、焼肉やタコスが食べられ、二階でくつろぐことも出来ます。タコスは行列ができる人気ぶり。
まちみせ

本番終了後、足を延ばして、投入堂へ!と出かけましたが、入山受付時間を過ぎており、投入堂見られず! がっくり肩を落とす二口。
投入堂

近くの「もうけ神社」長い石段を上ると可愛らしい小さな社がありました。苔の絨毯が美しい神秘的な雰囲気のなか社に手を合わせる二口と広田ですが、この後、どちらかは地ビール試飲会で泥酔します。
もうけ神社




 
「人間そっくり」
(安部公房 原作)
構成:油田晃
(劇団Hi!Position!!)
演出:山口浩章
出演:山中秀太郎
(劇団Hi!Position!!)
二口大学 広田ゆうみ


SENTIVAL!2012
2012.6.16-17
於:池袋 atelier SENTIO

2012.8.16-17
於:津あけぼの座
2012.8.18-19
於:西陣ファクトリーGarden

三重県津市の劇団Hi!Position!!と、このしたやみが「このしたPosition!!」として共同制作した作品。
安部公房の中編小説『人間そっくり』をリーディング作品として創作したもの。
そもそもは2010年に劇団Hi!Position!!が京都で公演した際、山中の一人芝居を見た山口が、 「この人に火星人をやってもらって『人間そっくり』をやったら面白いだろうなあ」と思ったのがきっかけだが、 山口自身こんなに早く実現するとは思わなかったという。
地球人にそっくりな火星人(山中)が突如、作家(二口)の家に訪ねてくるが、 作家はどうしても彼が自分を火星人だと思い込んでいる地球人だと立証することができず、 最後は作家自身、自分が火星人なのか地球人なのか分からなくなってしまうという奇想天外な話で、 舞台装置も机と椅子と衣装が三組、同じように配置され、冒頭のシーンは俳優三人とも白い“そっくり”な衣装を着ている。
さらに火星人と作家それぞれの妻を広田が一人で演じることで、 “自分自身”を証明する最も有力な証人であるはずの妻自身が特定不能となり、 日常生活という自身の基盤まで浸食する“そっくり”の薄気味悪さを強調することとなった。
最後のシーンで作家に絡みつく巻物(台本)は、 “自分”を証明しようとして尽くした言葉そのものが“証明できないことの証明”となることを端的に表現した。

atelier SENTIO 舞台写真1
舞台写真2

津あけぼの座 舞台写真3
舞台写真4

西陣ファクトリーGarden 舞台写真5

チラシ チラシ





「赤い部屋」
(江戸川乱歩 作)
構成・演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


2012. 3.15-17
於:西陣ファクトリ―Garden

前年11月に三重県で発表した『赤い部屋』を、このしたやみのホームグラウンドである西陣ファクトリーGardenで上演。
このしたやみの京都での公演は2010年9月の『二人で狂う』以来、実に1年半ぶりとなる。
恒例となっている本番終了後の観客との交流会の間にも、“レッド・ターイム”と称して、 会場全体を赤電球の明かりだけにし、その場にいる全員が、 作品中の“赤い部屋”倶楽部の会員であるような奇妙な感覚を味わった。

舞台写真1

舞台写真2





「赤い部屋」
(江戸川乱歩 作)
構成・演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


M-PAD 2011
2011.11.23
於:Cafe Hibicore
2011.11.26
於:津あけぼの座

主催:津あけぼの座 三重県文化会館

私たち「このしたやみ」、東京の「Shelf」、「第七劇場」、地元、津市の「劇団Hi!Position!!」が、津市内の4つの飲食店でそれぞれリーディング作品を上演し、 食事と舞台を一度に味わってもらおうという企画。飲食店も老舗洋食店、割烹、など様々で、空間としても、それぞれの趣がある。 このしたやみの会場は郊外の古民家で営まれているCafe Hibicore(カフェ・ヒビコレ)。三重県ゆかりの作家ということで乱歩を、なおかつ、食後に見ても気分が悪くならないものということで『赤い部屋』を選んだ。 前年の『道成寺』に続き、今回も、巻物型の本を二口、広田が読む。 昭和16年に建てられたという日本建築に、赤い椅子とナース服、そして、客席まで真っ赤に染め上げる照明は、江戸川乱歩の倒錯した世界と異様なほど調和した。 週末には、津あけぼの座で、4作品を一挙に上演。4団体とも異なるスタイルでのリーディング作品で、「リーディング」の幅と可能性を感じさせるものとなった。

舞台写真1

舞台写真2

舞台写真3

舞台写真4

料理を作ってくださったアグリロマングランマの皆さん。そろいの割烹着がかわいらしいです。地元の食材を使った料理もとてもおいしい。
料理

食事はお膳で。奥に設えられた「赤い部屋」が異様です。
食事中

他のチームもあつまって、打ち上げです。このしたやみ3人はこのまま泊めていただきました。Cafe Hibicoreの皆さん本当にお世話になりました。
打ち上げ





「二人で狂う……好きなだけ」
(ウージェーヌ・イヨネスコ 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
音響操作・出演:柳原良平
照明操作・出演:
   ワタナベヒロコ(大阪)
   船越美紀(韓国)



国際演劇学会2011レセプション公演
2011.8.10
於:大阪大学21世紀懐徳堂スタジオ


韓国・春川国際演劇祭招聘公演
2011.10.7-8
於:チュクジェ・グックジャン・モムジ
  (マイム祝祭劇場)

昨年創作したイヨネスコの『二人で狂う……好きなだけ』を、大阪大学で行われた国際演劇学会と、韓国の春川市で行われた春川国際演劇祭で上演した。
これまでの公演と異なり、アカデミックな観客、国際的な場での上演となり、大阪では英語の、春川ではハングルの字幕がついた。
特に春川公演は、このしたやみ初の海外公演で、山口は飛行機に乗ること自体、初めてのことだった。

会場の大阪大学21世紀懐徳堂です。最近改装されてスタジオが出来たということです。
21世紀懐徳堂

国際演劇学会ということで客席に海外の方が多いです。大阪大学の院生に前説を訳してもらっています。『二人で狂う……好きなだけ』は英語では『Frenzy for two…or more』。 前説


10月、韓国へ。春川での会場、チュクジェ・グックジャン・モムジです。まだ出来たばかりの新しい劇場です。
劇場1 劇場2

舞台写真1

舞台写真2

演劇祭の期間中、本部の前では、毎晩テントが出てパーティーが行われ、韓国の俳優さんや、お客さんと交流しました。山口の奥にいるのが今回、韓国に呼んでくれたプロデューサーの黄(ファン)さん、 広田と二口の間にいるのがボランティアスタッフの通訳さんです。ずっと一緒にいてくれてとても助かりました。
テント

これで舞台道具すべてです。外側の木の箱も分解して、仕掛けになります。それでも大きすぎると空港で叱られました。
荷物

春川はタッカルビが名物。タッカルビ通りというのがあって、ずらりとお店が並んでいます。ほかにもいろいろなものをご馳走になりました。中には広田が悲鳴を上げるような食べ物も。
名物

最終日はソウルを見て回りました。後ろ髪引かれる思い。願わくは再び。
最終日







平澤計七短篇集
「戦闘か調和か屈服か」・
「悪魔」・「苦闘」
(平澤計七 作)
構成・演出:山口浩章
出演:
二口大学 広田ゆうみ/
板倉真弓 おおてりえ 
川口えり子 古津可菜子 
肥田知浩 福田英城 山野博生


日本の近代戯曲研修セミナーin関西
2011.3.26-27
於:大阪 谷町劇場
主催:日本演出者協会

日本演出者協会主催の日本の近代戯曲研修セミナーin関西の一環で、プロレタリア演劇の先駆けともいえる、平澤計七(1889-1923)と、秋田雨雀(1883-1962)の戯曲をリーディング形式で上演したもの。 このしたやみが平澤計七の短編三本を、大阪の劇団hmpシアターカンパニーが秋田雨雀の『骸骨の舞跳』を創作した。
平澤計七は演劇や戯曲創作の専門家ではなく、大正時代の労働運動の指導者的活動家であり、職工であった。 当時珍しく労使協調路線をとり、労働者の文化レベルを向上させることが、資本家と対等に話をすることだと考えた彼は、 労働運動の集会などで、演劇を上演した彼の作品には、プロの俳優ではなく、実際の労働者が出演した。
今回の公演では、酒と博打いがいの娯楽をという平澤の思想から、喜劇的要素の強い短篇三本を上演。また、公募で集まった様々な、年齢、職業、演劇経験をもつ人々が出演した。
上演後には、近代演劇の研究者、正木喜勝氏を交えてのシンポジウムも行われた。
「戦闘か調和か屈服か」

「戦闘か調和か屈服か」

「悪魔」

「苦闘」

シンポジウム





「紙風船」
(岸田國士 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


かなざわ演劇祭2011Feb
2011.2.5-6
於:石川県金沢市 An Studio

2000年より行われている『かなざわ演劇祭』での公演。
会場は金沢を拠点に活動している劇団アンゲルスのAn Studioで、このしたやみの『紙風船』、名古屋の劇団 双身機関の『春と修羅』、そして劇団アンゲルスの『驟雨』の三本立てで 上演された。偶然ではあるが、岸田國士が夫婦をテーマに描いた『紙風船』と『驟雨』を一度に見られる機会となった。
数日前からの記録的な大雪にもかかわらず、会場には多くの観客が足を運び、2月6日の上演終了後には、出演者や観客も交えてのシンポジウムも行われた。
舞台写真

公演期間中ビルの3階が劇場、2階は観客の憩いの場として使用され、ドリンクやちょっとした食べ物を提供している。『今日の一皿料理』が、やたら手が込んでいて美味い。
An Studio

シンポジウムのテーマは『創作の動機』。コップの中身はウーロン茶ではなくお酒。
シンポジウム

公演後、金沢市の近江町市場へ。海鮮汁は安くてうまい。
市場




「道成寺」
(三島由紀夫 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


このしたやみ+正直者の会in三重
2010.12.4-5
於:三重県 津あけぼの座
主催:津あけぼの座

昨年に引き続き、京都の二団体が、三重県の津あけぼの座で公演するという企画での上演。 3月に京都府立文化芸術会館で上演されたリーディング公演『道成寺』では、二口も広田も最初から舞台上にいたが、三重での公演では、広田演じる清子は後から登場する。 はじめ舞台袖から鈴をつけた足だけが人の頭の高さほどから突き出され、その後、ゆっくりと歩いて姿を現すシーンは、能の橋懸りと三島の倒錯的なエロスを連想させた。

舞台写真

舞台写真

舞台写真

津あけぼの座の支配人・油田さんと黒幕・山中さん。今年もすばらしいホスピタリティでお世話になりました。
油田さん 山中さん





「駈込み訴え」
(太宰治 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 / 広田ゆうみ


2010演劇キャンプ in 中津川
2010.9.17
於:岐阜県中津川市 常盤座

2010演劇キャンプin中津川のオープニングとして上演されたもの。
会場となった岐阜県中津川市の常盤座は1891年創立。
その後、修復、改修を繰り返し現在に至っている。
村歌舞伎の風情あふれる劇場。
常盤座1

常盤座1

劇場の名前の由来になった常盤神社にお参り。 常盤神社

舞台前面の提燈も良い味です。 舞台写真





「二人で狂う……好きなだけ」
(ウージェーヌ・イヨネスコ 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
音響・照明操作・出演:
 山口浩章 奥村朋代(利賀)
 ワタナベヒロコ(京都)
舞台監督:西田聖
舞台美術協力:川上明子
照明協力:魚森理恵


利賀演劇人コンクール
2010.8.20
於:利賀山房
主催:
財団法人舞台芸術財団演劇人会議

このしたやみ#7
2010.9.23-24
於:西陣ファクトリーGarden

イヨネスコの不条理劇。舞台中央に蚊帳を吊り、中の世界、観客席や、音響、照明操作をする場所を外の世界として、 二人が演じる空間を、中間世界として、舞台空間を、中、外、中間の3つの世界で構成し、 中間世界に降り続ける雪を避けるため傘を、傘が壊れた後は座っていた椅子を使い、台詞にある、亀やカタツムリを表わした。 作品後半で外部世界の、照明、音響操作席から筒が伸び、彼らの中間世界に他者が侵入してくると、 彼らは蚊帳の中へ逃げ込むが、それによって世界は崩壊する。 生きる中で背負う心の中の罪の意識と、外からの罰、この二つから逃れるために、中間地点で馬鹿騒ぎを必死で続けなくてはならない人間の姿を浮かび上がらせた作品。

「二人で狂う」1 「二人で狂う」2 「二人で狂う」3 「二人で狂う」4





「紙風船」
(岸田國士 作)
「駈込み訴え」
(太宰治 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ


楽町楽家
2010.6.5
於:ギャラリー妙芸

京都の町家の魅力を再発見しようという催し「楽町楽家」の一環として、妙心寺近くの町家、ギャラリー妙芸で上演された。 会場となったギャラリー妙芸は、「紙風船」が執筆されたのと同時期の1920年代の建物。 前半の「紙風船」は座敷の奥で、後半の「駈込み訴え」は中庭を背に上演された。 途中休憩中に、お客さんにも協力してもらい舞台を持ち上げ、座敷側から中庭側に移動した。 作品の魅力と、町家の魅力、双方が活きる公演となった。


「紙風船」 「駈込み訴え」




「道成寺」
(三島由紀夫 作)
演出:山口浩章
出演:広田ゆうみ 二口大学
監修:椋平淳


日本の近代戯曲研修セミナー
 日本近代戯曲リーディングin関西
2010.3.18
於:京都府立文化芸術会館
主催:日本演出者協会

 日本演出者協会の主催する「演劇大学in京都」のプログラム「日本の近代戯曲研修セミナー」の一環として上演されたもの。
 広田が清子の役を、二口がそれ以外のすべての役の台詞とト書きを落語のように読む。
「読む」ということをどのように見せるかということから、俳優は巻物状の台本を読み進めることでそれが垂れ下がり、古典の道成寺における清姫が蛇に変わっていくイメージを喚起させた。
 この企画では「このしたやみ」による「道成寺」と併せて遊劇体による「生きている小平次」(脚本:鈴木泉三郎 演出:キタモトマサヤ)の上演。二作品上演後は、近代戯曲の研究家である阿部由香子(共立女子大学準教授)を招いて演出家とのトークも行われ、実践、学術両方面から近代戯曲へアプローチするという試みとなった。


「道成寺」1 「道成寺」2 「道成寺」3 「道成寺」4




「熊」
(アントン・チェーホフ 作)
演出:山口浩章
出演:広田ゆうみ 二口大学
監修:椋平淳


チェーホフ一幕劇同時上演企画
 ルドルフ×このしたやみ「熊」
2010.1.22-25
於:アトリエ劇研
主催:ルドルフ

筒井加寿子さんが代表をつとめる「ルドルフ」と私たち「このしたやみ」がそれぞれチェーホフの一幕劇「熊」を創作、上演するという企画。二つの団体による、全く異なる二つの「熊」が現れた。
「このしたやみ」の「熊」は2年半ぶりの再演となる。基本的な舞台美術は変わらないが、作品の質は2年半という月日を経て、大分変わったように思う。同じ作品に繰り返し取り組むことの大切さを感じる公演になった。


「熊」2010_1 「熊」2010_2 「熊」2010_3 「熊」2010_4 撮影:徳永ひろみ




「紙風船」
(岸田國士 作)
朗読
 「あなたの最も好きな場所」
(福永武彦 作)
演出:山口浩章
出演:広田ゆうみ 二口大学
監修:椋平淳


このしたやみ 三都市公演

[京都]
HIGASHIYAMA STAGE SUPPORT PLAN 東山のおススメ!
2009.9.11-12
於:京都市東山青少年活動センター

[鳥取]
鳥の演劇祭ショーケース
2009.9.21-22
於:しかの心 特設ステージ

[三重]
このしたやみ+豊島由香 IN 三重
2009.9.26
於:津あけぼの座

このしたやみ 三都市公演
2008年12月に上演した岸田國士の「紙風船」を京都、鳥取、三重の三都市で上演しました。

[京都]
京都の東山青少年活動センターで上演。
真っ黒な空間に浮かぶ舞台は、西陣ファクトリーGardenとはまた異なった趣を醸し出しました。 また、初演時と同様、「紙風船」上演後、福永武彦の小説「あなたの最も好きな場所」のリーディングの試演会もご覧いただきました。
青少年活動センターということで、中学生や高校生など、これまでと違った年齢層の観客に足を運んでもらえた公演。

京都「紙風船」

京都「あなたの最も好きな場所」

















[鳥取]
「鳥の劇場」の主催する国際演劇祭「鳥の演劇祭2」のショーケースにお招きいただき、「紙風船」と「あなたの最も好きな場所」 を上演。ショーケースには京都の「このしたやみ」、栃木の「A.C.O.A」、熊本の「第七インターチェンジ」の3団体が参加しました。
「鳥の劇場」は鹿野町の小学校跡を利用して作られた劇場の名前であり、そこを拠点に創作活動をしている劇団の名前でもあります。 鳥の劇場1 鳥の劇場2


こちらが会場の「しかの心」。「鳥の劇場」のすぐ向かいで、元々織物工場だった建物を普段は集会所として使用しているそうです。 中には喫茶店もあります。声の響き方が柔らかく、西陣ファクトリーGardenに近いものがあります。 しかの心1 しかの心2 しかの心3


鹿野は城下町で、迷路のような古い町並みが今も残っています。 鹿野町


宿泊用にと貸していただいた民家です。私たちと「A.C.O.A」、それからルーマニア人のボランティアスタッフの方々で数日間共同生活しました。 温泉つきです。土地の人たちはとても親切で、自分たちの演劇祭に誇りをもっておられました。 宿


帰りに寄った鳥取砂丘です。「砂の女」を思い出します。 砂丘



[鳥取]
津あけぼの座のプロデューサー油田晃さんと、京都の大藤寛子さんの企画で、私たちの「紙風船」と豊島由香さんの「かえるくん東京を救う」(村上春樹) の二本立てという企画に参加しました。
2日前には日本海に居たのに、今は伊勢湾、太平洋。不思議な気がしますが、3人ともはしゃいでます。 海1 海2


劇場近くの橋、ここから江戸へ向かったことから「江戸橋」と言います。近くの駅名「江戸橋駅」もそこに由来します。 江戸橋


こちらが「津あけぼの座」。元々学習塾だった建物を自分たちで改修して、劇場にしたそうです。今回も、私たちの公演のために劇場を改造してくださるなど、たいへんお世話になりました。 津あけぼの座1 津あけぼの座2


その土地のものを食べ、その土地の景色に浸り、その土地の人たちと触れて、作品を見てもらう。豊かな時間です。 打ち上げ 夜


このしたやみ 初の旅公演はみなさまのご協力で大変有意義なものになりました。ありがとうございました。 影





「砂の女」
(安部公房 原作)
構成・演出:山口浩章
出演:広田ゆうみ 二口大学
監修:椋平淳


このしたやみ#6
2009.3.19-22
於:西陣ファクトリーGarden
主催:このしたやみ

安部公房の小説「砂の女」を舞台化したもの。
あり地獄の巣のような穴の中、砂に埋もれつつある小屋の中で暮らす女と、そこに監禁された男。 男はあらゆる手段で逃げ出そうとするが、失敗を繰り返し、やがて、女と砂に取り込まれていく。
“砂があってこそ立っていられる存在”として、女の半身を舞台中央の砂山埋め、いわば棒倒しの棒のような 状態で、移動できないようにした。一方、男の指には包帯を巻き、男が性的に不能であることを表した。
また、舞台の四隅に吊るされた一斗缶から砂を降らし、その下に、文明社会での生活や思い出を象徴する時計、書籍、鏡、人形 を置き、時間の経過と共に、文明的価値観が砂に飲み込まれていく様子を表した。
男が少しずつ理由をつけて諦めていく様は、普段当たり前に感じている生活や人生が、実は多くの絶望の上に築かれた 砂上の楼閣であることを感じさせる。
最後に男は脱出のチャンスを捨て、自らの手で自分自身を砂に埋めていく。
一つの人生が砂に埋もれる瞬間、社会から一人の人間がいなくなる瞬間は、静かだった。


「砂の女」1

「砂の女」2



















「砂の女」3

「砂の女」4




「人は死んだら木になるの」
(山口茜 作)
演出:山口浩章
出演:広田ゆうみ 二口大学

/ 川津かなゑ 清水光彦
監修:椋平淳

欄干スタイルプロデュース
2009.2.11-15
於:アトリエ劇研
主催:欄干スタイル

フィンランドに留学中の劇作家山口茜の書き下ろし脚本「人は死んだら木になるの」 を「このしたやみ」を含む3つの団体がそれぞれ上演するという企画に参加したもの。
 二人ずつのシーンが、交互に相手を変えながら進んでいくという脚本の構造を利用し、 二口、広田は衣装を変えながら、入れ替わり立ち代り、それぞれ四役を演じ分けた。
 今回はこのしたやみ初の試みで、二人以外に、川津かなゑ、清水光彦の二人に出演してもらった。 出演といっても、この二人は、役柄を演じるのではなく、二口、広田が中国語で演じるシーンの 通訳をしてもらったり、舞台転換をしてもらうなど、いわば狂言回しのような存在で、 作品中に役柄を演じる以外の存在を持ち込むことは、ともすると閉塞しそうになる劇空間に吹き込む 風のような効果を生み出した。
 脚本の螺旋階段を思わせる構造と、タイトルのイメージから、角材で組んだ井形を少しずつずらして くみ上げた、ねじれた木を連想させるオブジェを舞台中央に置き、俳優はあたかも回遊魚のようにその周りを 回りながら役柄を変えていく。また、この装置は巨大なポールハンガーとしての役目を持ち、人物イコール 衣装という図式を表すことで、人間存在の本質の欠如を視覚的に表現する狙いもこめられていた。
 相互不理解と、そこから生まれる本質的な願望を失った現代の人間像を、捩れ曲がった木のイメージに重ねた作品。

「人は死んだら木になるの」1

「人は死んだら木になるの」2


















「人は死んだら木になるの」3

「人は死んだら木になるの」4

「人は死んだら木になるの」5

「人は死んだら木になるの」6





















「紙風船」
(岸田國士 作)
朗読
 「あなたの最も好きな場所」
(福永武彦 作)
演出:山口浩章
出演:広田ゆうみ 二口大学
監修:椋平淳


このしたやみ#5
2008.12.5-7
於:西陣ファクトリーGarden
主催:このしたやみ

当初、岸田國士の二人芝居「紙風船」として企画したが、 より深く男女の関係性と、人間存在の孤独を表現するため、 福永武彦の小説「あなたの最も好きな場所」の朗読を組み合わせた作品。
「紙風船」は、一段高い場所に二畳の座敷を組み、周囲を囲むように落ち葉を敷き、 世界にぽつんと存在する夫婦の空間を作った。また、中央にちゃぶ台を置くことで、 夫婦それぞれも空間的に孤立させ、お互いを殆ど見ずに会話が行われる。 互いに気にかけるあまりギクシャクする夫婦関係、 それでも関係を持ち続けていきたいという人間の孤独を表した。
「あなたの最も好きな場所」は、まだ互いのズレに気づく前の男女の話。 敷き詰められた落ち葉の上で朗読し、「紙風船」の舞台はそのまま残すことで、 二つの物語を視覚から繋げるようにした。読み手と役柄は時折入れ替わり、 小説世界と読み手の距離を近づけたり引き離したりすることで、他者を強く意識できるようにした。

「紙風船」1

「紙風船」2

「紙風船」3


「あなたの最も好きな場所」1

「あなたの最も好きな場所」2


















「あなたの最も好きな場所」3




広田ゆうみ 一人芝居
 「藪の中」
(芥川龍之介 作)
二口大学 朗読
 「鼻」
(ニコライ・ゴーゴリ 作)
演出:山口浩章
出演:広田ゆうみ 二口大学
監修:椋平淳


このしたやみ#4
2008.9.18-20
於:西陣ファクトリーGarden
主催:このしたやみ

広田ゆうみの一人芝居「藪の中」と二口大学の朗読「鼻」という構成。
広田は一人で「藪の中」の登場人物である、4人の証言者と3人の当事者を演じるが、 衣装替えなどはなく、脇に座った二口の拍子木と呼び出しの声で、人物が変わる。 前半の4人は、天井から吊るされたすだれに、小枝を生花のように差しながら証言を行う。 これにより舞台上に藪(事件の謎)を形成し、3人の当事者は夫々異なる立ち位置で藪と関わる。
「鼻」は「藪の中」同様、さっぱり謎の解けない事件を扱ったものだが、 「藪の中」とは逆に、喜劇的な話で、ロシア文学にもかかわらず、落語のような作品。
同じように解けない事件を扱いながら、印象が真逆になる二作品を並べてみることで、 個別に観るのとは異なる世界ができないかという試み。

「藪の中」1

「藪の中」2

「藪の中」3


















「鼻」1

「鼻」2

「鼻」3




(再演)
二口大学 一人芝居
 「駈込み訴え」
(太宰治 作)
広田ゆうみ 朗読
 「《青いオーロラ》号の冒険」
(別役実 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
監修:椋平淳


このしたやみ#3'
2008.7.18-20
於:西陣ファクトリーGarden
主催:このしたやみ



「駈込み訴え」

「《青いオーロラ》号の冒険」




二口大学 一人芝居
 「駈込み訴え」
(太宰治 作)
広田ゆうみ 朗読
 「《青いオーロラ》号の冒険」
(別役実 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
制作協力:椋平淳


このしたやみ#3
2008.3.28-29
於:西陣ファクトリーGarden
主催:このしたやみ

太宰治の「駈込み訴え」を二口大学が演じ、別役実の「《青いオーロラ》号の冒険」を広田ゆうみが朗読する2部構成。
「駈込み訴え」では、ユダは畳の上で一歩も動かず、立ち上がりもしない、いわば落語のような限定された姿勢の中での 表現の可能性を追求し、「《青いオーロラ》号の冒険」でも、音響効果、照明変化など使用せず、朗読者のみの表現とした。
また、一人芝居の際には舞台奥に広田を、朗読のときは手前に二口を配置した。
今回は作者すら異なる、まったく別々の二つの世界だったが、二つの作品で広田が歌う賛美歌306番と、 台詞をはいたり、動きで表現したりするわけではないが、観客の目に触れる場所に、二人の俳優がいることで、 観客の脳内で二つの作品に橋が架かるのではないかということを試みた。 いわば、#1で試された、観客の脳内で生まれる関係性をもう一歩進め、役柄を演じているわけではない 「ただそこにあるだけ」の俳優の存在が、観客に、また、同じ舞台上にいる俳優にどんな影響を与えるのかを検証した作品。

「駈込み訴え」1

「駈込み訴え」2

「《青いオーロラ》号の冒険」1

「《青いオーロラ》号の冒険」2




「熊」
(アントン・チェーホフ 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
舞台監督:川上明子
照明:魚森理恵
音響:奥村朋代


ぶんげいマスターピース工房
2007特別公演
競作・チェーホフ参加作品
2007.9.29-30
於:京都府立文化芸術会館
主催:京都府立文化芸術会館

チェーホフの一幕劇「熊」。
舞台を縄で作られた蜘蛛の巣のような檻の中と外に分け、蜘蛛の巣の中心のブランコに、未亡人ポポーヴァを配置。巣の中をポポーヴァの世界とし、一方、蜘蛛の巣を取り囲むように円形に敷かれた借金の手形、あるいは昔の恋文を象徴する、トレーシングペーパーの上を、借金取りスミルノーフの世界とした。
文化芸術会館は、所謂プロセニアムステージで、客席と舞台上は額縁によって仕切られている。また、その額縁が横長の長方形であるため、空間に高さを持たせるために蜘蛛の巣の天井部分は使用しなかった。
蜘蛛の巣は世界から自分の妄想、理想を守る壁を象徴し、ポポーヴァは、その中心で紐を編みながら、自らの幻想の世界をより強固なものにしようとし、スミルノーフは自らの人生を修正するかのように、しわくちゃになってしまった紙をのばし続ける。
二人の世界が触れ合うと、二人の内面を映すかのように、蜘蛛の巣は不安定に揺れ動いた。


「熊」文芸1

「熊」文芸2














「熊」文芸3














「熊」文芸4




「熊」
(アントン・チェーホフ 作)
演出:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
舞台監督:川上明子
照明:魚森理恵
音響:奥村朋代
舞台補助:川島孝雄


利賀演出家コンクール
2007.8.15
於:利賀スタジオ
主催:
財団法人舞台芸術財団演劇人会議
チェーホフの一幕劇「熊」。
会話劇の形をとりながら、自分の愚痴や理想ばかり語るという、チェーホフの世界を二人の領域争いとして展開した作品。
利賀スタジオは中央部分の天井まで10メートル以上ある、礼拝堂を思わせる八角形の建物で、床や壁は板張りと格子になっていて、 建物の個性が強いため、その特色を生かす工夫が必要だった。逆に言うと、この建物から舞台美術のアイデアが生まれたともいえる。
利賀バージョンでは、八角形の巨大な蜘蛛の巣状の天井が、観客席の頭上にまで延び、観客席まで含めた空間創りとなった。
楽曲は使わず、ポポーヴァの足首に鈴をつけるなど俳優の動きがそのまま聴覚に訴える仕掛けになっている。

「熊」利賀1













「熊」利賀2




















「熊」利賀3




















「熊」利賀4




「傘をどうぞ・
   ソウルの落日」
(芳地隆介 作)
演出・構成:山口浩章
出演:二口大学 広田ゆうみ
舞台装置:川上明子
演出助手:大藤寛子


Kyoto演劇フェスティバル
実行委員企画
2007.2.20
於:京都府立文化芸術会館
3F小スペース
主催:京都府
財団法人京都文化財団
Kyoto演劇フェスティバル
実行委員会
芳地隆介の「傘をどうぞ」と「ソウルの落日」という元来別々の一人芝居の脚本だったが、 一方は戦争で失った夫を、一方は戦争が終わって離ればなれになった親友を待っているという設定で、 この「戦争」と、「待っている」という共通点から、二つの世界を重ねられないかという考えが出発点となり、 ひとつの作品として創作したもの。
俳優が交互に読みあい、本来関係のなかった二人の登場人物が、あたかも会話をしているような、 また、一人の共通の人間を待っているかのような錯覚を生み出そうと試みた。
小道具の竹とんぼが、時に傘になり、時に二人の間を飛び交い、異なる世界をつなぐ橋渡し的な象徴として使用された。 本来、係わりのないもの同士が、観客の脳内で結びつきを持つという、「観客の錯覚による関係性」を模索した作品となった。

「傘・ソウル」1

「傘・ソウル」2